女優・酒井法子が覚せい財を所持、使用していた事件は酒井の逮捕から10日が経ち、マスコミ各社は「書き得」の時期に入った。
警察による発表ネタもめっきり少なくなってきた。だが週刊誌やスポーツ紙は「のりピー」が見出しに踊れば売れる。ワイドショーは視聴率が取れる。少々のガセでも目をつぶり合おうという業界の黙約が「書き得」を生む。
「酒井と暴力団組長との交際」「(夫の)高相容疑者と押尾学は薬仲間だった」「のりピーではなくラリピーと呼ばれていた」・・・・・・・。次から次へと面白おかしい話が飛び出してくる。ウソもあれば真実もあるだろう。
公判が始まり検察から事実が明らかにされてくると、報道されたような事実はなかったりすることが少なくない。「書き得」はウソが多い、と思ってスポーツ紙やテレビを読んだり見たりした方がよい。
一方、簡単に「書き得」できそうにないネタもある。出頭した酒井が持っていなかった、とされる携帯電話だ。警察は仮に携帯電話機を押収していなくても、通話とメールの交信記録はすべて把握している。電話会社のサーバーに残っているからだ。
警察は交信記録を一つひとつ当たってゆく。事件と関わりがあると見られるものであれば、交信相手に直接会って事情を聞く。刑事を北海道であろうが、沖縄であろうが派遣する。
交信記録からは芸能人はもとより財界人、政治家、ヤクザ、薬の売人……ありとあらゆる業界の人物名があがってくるはずだ。
そして捜査の結果、事件と深い関係がある人物、今回の事件とは関係ないが別の犯罪をおかしている人物が明らかになる。警察はただし、事件の核心に触れる情報は外に出さない。公判を維持し有罪を勝ち取るためには「本人のみぞ知る事実」が必要だからだ(腕っこきの事件記者によってスッパ抜かれることは稀にあるが)。
事件と関わりのない情報として「酒井と不倫関係にあった財界人、政治家」の名前なども捜査の過程で出てくる。これは外に漏れやすい。警察にとって邪魔な人物も名前をリークされたりする。
酒井法子と付き合いのあった有名人は今頃、戦々恐々としていることだろう
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瓦礫の広域処理で北九州に飛び、大飯原発の再稼働で福井に行き、そして東電の刑事告訴で福島に……『田中龍作ジャーナル』は、現場主義が信条ですが、取材には、思わぬほど費用がかかります。
今、何が起きているのかを伝えるためには、どうしても現場に行く必要があります。重大事でありながら新聞・テレビが報道しない出来事があまりに多すぎる昨今です。
財政難にあえぎ広告を入れようか、メルマガを導入しようかと考えたこともありました。だが、記事のスタンスと矛盾する企業が広告に登場することもあります。メルマガは一人でも多くの方々に記事をお読み頂きたい、という趣旨には合いません。
これまで以上に『田中龍作ジャーナル』を充実させて、ご支援くださる方の輪を広げるしかないことにあらためて気付いたしだいです。田中龍作の現場からの発信に何卒お力をお貸し下さい。2012年6月12日
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