【キーウ発】動物たちも戦争の犠牲になった

餌を求めて駆け寄ってくる馬が哀れだった。=9日、アンドレイフカ村 撮影:田中龍作=

餌を求めて駆け寄ってくる馬が哀れだった。=9日、アンドレイフカ村 撮影:田中龍作=

 開戦から44日目、4月10日。

 戦場に行くと必ずといってよいほど飼い主を失った動物に出会う。猫、犬、馬、ヤギ・・・

 牛や鶏はあまり見かけない。兵士たちの食に供されてしまうからだ。

 キーウから約80㎞西のアンドレイフカ村は動物たちも惨劇の犠牲となった。

 ロシア兵が牛を撃ち殺して食べた。鶏を締めた。住民が家の中から蛮行を目撃していたのである。

 餌が欲しいのだろう。馬が頬擦りしてきた。コートのポケットを長い鼻でつつく。食べ物の匂いがしたのだろう。

兵士はケーキの切れ端を猫に与えた。=8日、コブリッツア村 撮影:田中龍作=

兵士はケーキの切れ端を猫に与えた。=8日、コブリッツア村 撮影:田中龍作=

  東日本を襲った大津波(2011年)でも、飼い主を失った動物が数えきれないほどいた。

 原発のすぐ傍で飢えと寒さに震えていた猫は、ボランティアに保護され我が家に定住することとなった。

 ウクライナにも動物を保護するボランティアがいて、激戦地で活動する。

破壊された村で餌を求めてさまよう馬。眼が悲しそうだ。=9日、アンドレイフカ村 撮影:田中龍作=

破壊された村で餌を求めてさまよう馬。眼が悲しそうだ。=9日、アンドレイフカ村 撮影:田中龍作=

 権力者たちの都合で勝手に始めた戦争で、弱きものは飢えに苦しむ。

 動物は親を亡くした戦災孤児と同じではないだろうか。

 

猫はカメラのシャッター音に驚いたのか。すぐに逃げた。=9日、アンドレイフカ村 撮影:田中龍作=

猫はカメラのシャッター音に驚いたのか。すぐに逃げた。=9日、アンドレイフカ村 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

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