「君は日本国憲法を読んでいるかね」。記者を叱りつけるかのように逆質問する民主党の小沢一郎幹事長。「中国の習近平副首席と天皇陛下の会見は『30日ルール』に反するのではないか」とする共同通信社記者の質問に答えたものだ。
この日の会見に限らず、記者に対する小沢氏の受け答えは威圧的だ。「もう少し勉強してから聞いてくれなきゃだめだよ、あんた」、「君、基本的なことを押さえてから質問しなさい」……。大メディアの記者たちが、次々と斬り捨てられる。
小沢氏がとりわけ見下しているのは民放の記者だ。フジテレビの記者が人事について質問すると、小沢氏は漫談調で答えた。「知ってる?藤井(財務大臣)さんを。その人が一旦引退表明されたの…(中略)…わかった?」。自民党幹事長時代「記者会見はサービスだ」と言って憚らなかった小沢氏らしい。
それでも評価できるのは、小沢氏が記者会見をオープンにしていることだ。小沢氏は記者会見を永田町の民主党本部で開く。このため、検察のリークを受けた社会部記者が出席し突っ込んだ質問を浴びせてくる。院内で会見すれば出席は手の内を知る政治部記者に限られているにもかかわらず、だ。
小沢氏はネットメディアやフリー、海外紙の記者には丁寧だ。日本政界の事情に疎い外国メディアの記者が、ちょっとピント外れな質問をしても噛んで含めるように話す。大メディアの記者に対するように「君」とは口が裂けても言わない。「あなた」である。強面で鳴る「小沢一郎」の意外な一面だ。
凡百の政治家と違って小沢氏が大メディアよりも小メディアを厚遇するのは、ひとつの戦術だ。小沢は寸暇を惜しんで地方行脚する。もちろん選挙対策だ。小沢氏が来県したことを地方紙とローカル放送局は大きく扱う。
扱いが大きければ、選挙区の世論にも大きな影響を及ぼす。東京・有楽町で演説しても扱われないことの方が多い。この点、地方行脚はメディア対策としても効率的なのである。
そう言えば、田中角栄元首相の秘書だった早坂茂三氏は、東京のローカル紙「東京タイムズ」の記者だった。角栄氏が新聞社に話をつけて秘書に引き抜いたのである。小メディアの記者を大事にするのは恩師ゆずりなのかもしれない。
記者クラブメディアは次官会見に象徴される官僚の発表が大好きだ。次官会見はすでに禁止された。小沢氏は官僚の国会答弁も国会法の改正により禁止する方針だ。大メディアへの厳しい対応は、「官僚との対決」の一部なのだろうか。
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