民主党代表選挙が白熱している。小泉首相退陣以降続いた自民党総裁選挙は、勝負がついているにもかかわらず、注目を集めたいがための賑やかしに過ぎなかった。
それと比べれば現職総理と党内最大実力者の一騎打ちは、小沢前幹事長が今のところやや優位とは言え最後まで予断を許さない戦いとなっている。マスコミの注目が集まるのも当然だ。
だが大手メディアの報道姿勢は明らかに異様である。「政策論議を高めよう」と言いながら、報道内容は小沢批判一色だ。
小沢氏の強権的な政治手法は確かに問題がある。一方で菅首相の無為無策や軽はずみな発言は一国の総理として適性を欠かないのか。
円高・株安危機が進むなか、首相が軽井沢でのんびり過ごしていたことに、どのメディアも言及しない。全面対決回避に向けて、鳩山前首相がギリギリの調整を続けていた31日、菅氏は官邸を放っぽり出し、自らの事務所(議員会館)に野田財務相、前原国土交通相、岡田外相らを集めて謀議を練っていたのである。
これではもし地震が起きたら、北朝鮮や中国が何か軍事行動を起こしたら、円が急騰したら、すぐに対応できるはずがない。疑う余地のない「職場放棄」だ。国民の生命・財産を預かっている面々が、である。
新聞・テレビはこうした菅陣営の負の部分をほとんど扱わず、「反小沢キャンペーン」に血道をあげているのである。小沢氏の「政治とカネ」を追及するのなら、記者クラブメディアは「報道と機密費」について説明を果たす責任がある。それが恥ずかしくてできないのなら、せめて公平に報道してもらいたい。
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瓦礫の広域処理で北九州に飛び、大飯原発の再稼働で福井に行き、そして東電の刑事告訴で福島に……『田中龍作ジャーナル』は、現場主義が信条ですが、取材には、思わぬほど費用がかかります。
今、何が起きているのかを伝えるためには、どうしても現場に行く必要があります。重大事でありながら新聞・テレビが報道しない出来事があまりに多すぎる昨今です。
財政難にあえぎ広告を入れようか、メルマガを導入しようかと考えたこともありました。だが、記事のスタンスと矛盾する企業が広告に登場することもあります。メルマガは一人でも多くの方々に記事をお読み頂きたい、という趣旨には合いません。
これまで以上に『田中龍作ジャーナル』を充実させて、ご支援くださる方の輪を広げるしかないことにあらためて気付いたしだいです。田中龍作の現場からの発信に何卒お力をお貸し下さい。2012年6月12日
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