先月24日、銀座で産声をあげた「検察・検審と偏向報道を糾弾するデモ」(主催:権力とマスコミの横暴に抗議する国民の会)は、1ヶ月足らずの間に全国に広がりつつある。
20日に大阪で、21日には東京と名古屋で繰り広げられたデモは、いずれも大勢の市民が参加し、検察とマスコミに対する抗議の声をあげた。23日には新潟と福岡で行われる予定だ。
21日、渋谷で行われた「東京デモ」を取材した。集合場所の代々木公園には、手製のプラカードやゼッケンを持った参加者たちが続々と集まった。
「マスコミは世論誘導をやめろ」のプラカードを手にしている女性(30代)は神奈川県から駆けつけた。「民主党の代表選挙(9月)でマスコミの捏造が分かった。ネットでは『小沢コール』と菅首相へのヤジが聞けるのに、テレビは削除していた。編集された情報がいかに危険か分かった」。彼女はマスコミへの不信感を露わにした。
千葉県から参加した男性(60代)のマスコミ不信はさらに強い。「諸悪の根源は記者クラブ。マスコミがちゃんとしていれば世の中まともになるはずだ。特に朝日はひどい。朝日を取っているが年内に止める」。男性は憤懣やる方ない様子で語った。
【100万人署名で検審の情報公開】
今や検察以上に国民が疑念を募らせているのが検察審査会だ。筆者も「魔境『第5検察審査会』討ち入り報告記」でリポートしたが、ブラックホールのような組織である。
「東京第5検察審査会が秘匿する情報の公開を求める請願」(※)の100万人署名運動が始まった。運動の発起人である“一市民Tさん”(60代・都内在住)の姿がデモ隊の中にあった。
Tさんは「検察審査会のおかしさをマスコミは報道しない」と憤る。大手メディアに対して検察審査会と同じレベルで不信感を抱いているのである。
だが当事者の新聞・テレビは当然のように報道しない。自らが批判されている問題には頬被りするのが記者クラブメディアの特徴だ。前回(今月5日)、表参道で行われたデモには、某大手新聞の記者が“敵情視察”に訪れていたが、今回は大手メディアの記者らしき姿は見かけなかった。
(※)
「『小沢一郎議員起訴相当議決』を行った東京第5検察審査会が秘匿する情報の公開を求める請願」
http://minshushugi.net/activity/index/cgi
http://civilopinions.main.jp/
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