フリー記者の畠山理仁氏は「開かれた記者会見」を目指して、数年間にわたって各省庁の記者クラブとの交渉を続けてきた。日本最強のカルテル集団である記者クラブとの交渉は悪戦苦闘を極めた。
記者クラブに直接話しかけても相手にされないかスカされるだけだ。畠山氏は非常手段として大臣の記者会見で「記者クラブ問題」をよく追及する。
総務大臣の記者会見では10日、17日と連続して片山善博大臣に「記者会見に出られる人と出られない人の基準は何か?」と質問した。
21日にはこんな質問をした。「掲示板の(A4用紙)発表事項を撮影したら記者クラブの受付嬢(広報課スタッフ)から『画像を削除して下さい』と言われた。それ(発表)は機密事項なのか?」。
世界のどこにもないような取材規制だ。記者クラブによる規制はことほどさように些細なことにまで及ぶのである。唖然として次にバカバカしくなる。
まだ内戦が続いていたスリランカの高度警戒区域で写真を撮っていた時のことだった。同区域は軍が指定したもので「写真撮影禁止」の看板が数十メートルおきに立っている。
案の定、軍の警備隊に見つかった。シンハラ語で怒鳴りあげられパスポートを取られた。それでも「映像を削除しろ」などとは言われなかった。ワンカットたりとも失うことなく無事日本に持ち帰ることができたのである。
記者クラブは、世界の人権団体が糾弾するスリランカ軍事政権にもまさる弾圧機関と言えよう。
話を元に戻そう―
片山大臣の回答は3回とも「両者(記者クラブとフリー記者)でよく話し合って下さい」ということだった。
片山大臣から突き放された10日(1回目)の記者会見の後、畠山氏は記者クラブに幹事社を訪ねた。幹事社からは「忙しいので追って沙汰する」と言われ相手にされなかった。
山芋のように粘り強い畠山氏が17日に2回目の質問をしたところ、携帯電話に総務省の記者クラブ幹事社から連絡が入った。「フリー記者の方々のお話を聴きたい」と。
畠山氏は早速、ツィッターやメールで仲間のフリー記者たちにそれを報せた。
“記者クラブそれも幹事社様がフリー記者やネット記者の話を聞いて下さる” 筆者は天にも昇る思いだった。身に余る光栄だった。でも不安だった。思うところをそのまま言上しようものなら「無礼者!」とお叱りを頂戴しないだろうか。椅子以下のフリー記者は斬り捨て御免だ。
お手打ちに遭っても恥ずかしくないように、筆者は新しいパンツにはき替えて総務省に向かった・・・
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