前回(5日)の記者会見でご法度のUst中継をし、お上(記者クラブ)に楯突いたフリー記者たちは、7日も記者会見に出席することにした。ただし個別がさみだれ的に会見室に行くのではなく、総務省が入る中央合同庁舎2号館の1階ロビーで待ち合わせた。
我々は「出入り禁止処分」となっても記者会見に出るつもりだった。記者クラブによってツマミ出されそうになったら、それをネット中継し映像記録にも残さなければならない。口で抗議する要員も必要だ。
「1個小隊」固まって行かなければ、フリー記者への弾圧は闇に葬られる。1階ロビーで待ち合わせたのは、そうならないための自衛策だった。畠山理仁氏はじめ5人はエレベータで8階の総務省記者会見室に向かった。
ところが記者会見場には拍子抜けするほどスンナリと入れた。入り口の掲示板を見て理由がわかった。張り紙に「緊急クラブ総会、7日午後1時から。テーマ『フリー記者の動画撮影』について」と書かれていたのである。
騒動となった5日の記者会見から2日間、記者クラブ側から音沙汰がないのはこのためだ。我々についての処分はまだ決まっていないのである。
結論は見えているのに「記者クラブ総会」を開くのは彼らにとって極めて重要な儀式だ。「クラブ総会で決まった」と言えば誰もそこから先は追及できない。記者クラブ総会が国権の最高機関といわれる所以だ。
国会は一応テレビ中継され、国民も傍聴できる。ところが「記者クラブ総会」はどんな議論がなされたのか全く明らかにされない。検察審査会以上の魔境である。
我々が会見場に入室すると間髪をいれず幹事社が飛んできた。幹事社は畠山氏に「きょうも動画撮影をやるのですか? クラブとしてはまだ結論を出しておりませんので・・・」と告げた。“撮影は認めないからな”といわんばかりである。
幹事社に正面きって言われた畠山氏は気の毒なほど萎縮していた。ヘビににらまれたカエルとまではいかないが、小さくなっていた。代わりに厚顔無恥な筆者が「我々は断行します」と宣戦布告した。
片山大臣が現れ記者会見が始まった。畠山氏は幹事社の制止を聞かずUst中継を始めた。会見場には不気味な沈黙が流れた・・・
(つづく)
※幹事社の制止を聞かず畠山氏が断行したUst中継は下記のURLで