国防軍反対デモ 「息子を戦争に行かせたくない」

デモが始まると続々と参加する若者が増えていった。安倍首相とヒトラーの合成写真(横断幕のすぐ後ろ)が人目を引いた。=13日夕、渋谷。写真:島崎ろでぃ撮影=

デモが始まると続々と参加する若者が増えていった。安倍首相とヒトラーの合成写真(横断幕のすぐ後ろ)が人目を引いた。=13日夕、渋谷。写真:島崎ろでぃ撮影=

 自民党が改憲草案で謳う「国防軍の創設」に反対するデモが今夕、東京都心で行われた。(主催:同実行委員会)

 改憲草案のキモは戦争放棄を定めた第9条の改変だ。現行憲法第9条の第2項には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とある。

 これが自民党案では「国防軍を保持」し「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動および公の秩序を維持し、又は国民の生命もしくは自由を守るための活動を行うことができる」となる。

 「集団的自衛権の行使」を可能にしているのだ。同盟国(米国など)が武力攻撃を受けた場合、米国と一緒に相手国と戦うことになる。

 さらには「領土、領海、領空を保全しその資源を守る」とまで書き加えられている。このところ緊張が高まっている尖閣諸島で紛争が起き、もし自民党案の通りに憲法が改正されていた場合は、自衛のために国防軍が中国と砲火を交えることだって可能となるのだ。

 “いつか来た道”ではないか。大田区の会社員(男性・57歳)は危機感を募らせて参加した。男性の父親は満州の戦線で終戦となりシベリアに抑留されていた。「もの心ついた頃から“戦争をやってはいけない”と父親から聞かされてきた。自分の息子(26歳)を戦争に行かせたくない」。

 品川区から足を運んだ男性(写真家・52歳)は、玩具や教育雑誌など子供向けの写真を撮っている。「次代を担う子供が戦争に連れて行かれるのは阻止したい」。男性は決然と語った。

 自民党が政権復帰した直後の先月26日に産声をあげた「国防軍反対デモ」。2回目も初回と同じ約100人が参加した。主催者は毎月1度のペースで行うことにより、官邸前の再稼働抗議集会のように定着させたいと意欲を示した。

男性は「国防軍反対デモならどこでも駆け付ける」。子供を守りたい一心だ。=写真:島崎ろでぃ撮影=

男性は「国防軍反対デモならどこでも駆け付ける」。子供を守りたい一心だ。=写真:島崎ろでぃ撮影=

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