【沖縄県知事選挙】学会の寄合いで飛び交う「玉城に入れたよ」

翁長知事夫人が「ウチの人の遺志を継ぐのはデニーさん」と宣言した1万人集会。エポックとなった日に創価学会の三色旗が翻った。=22日、那覇市 撮影:筆者=

翁長知事夫人が「ウチの人の遺志を継ぐのはデニーさん」と宣言した1万人集会。エポックとなった日に創価学会の三色旗が翻った。=22日、那覇市 撮影:筆者=

 学会員が学会員ではない友人(Friend)に特定候補への投票を依頼する・・・これを「F獲り」と言うのだそうだ。腕の立つ学会員であれば、1人で70〜100票のF獲りをこなしてきた。

 ところが今回の選挙ではこのF獲りに苦戦している。「佐喜眞をお願いします」などと言おうものなら、依頼しようとした相手から叱られる、というのだ。

 代わって勢いづいているのが「逆F獲り」だ。学会員が学会員ではない有権者に「玉城デニーに入れて下さい」と依頼するという。沖縄の学会員によると、これが、好調なのだそうだ。

こうした現象が起きている理由は辺野古埋め立てだ。公明党沖縄県本部は辺野古埋め立てに反対。にもかかわらず、学会員が埋め立て推進の自民党に入れるのは筋が通らない。投票を依頼するのは、さらに筋が通らない。

「『学会員はウソつきか』と言われると心が折れる」。前出の学会員は苦しい胸のうちを明かした。

学会幹部は「連立のためだ」とか「これも一つの戦いだ」とか説き伏せにかかるが、効果はない。「辺野古の話はするな」と指示が出ているが、県政を揺るがす大問題は避けて通れない。

2月にあった名護市長選挙では学会がフル稼働した。自公候補が掲げる「学校給食の無料化」「高校生までの医療費無償化」は、学会員の生活に直結していた。ところが今回の県知事選挙では、生活に直結するようなテーマはない。

辺野古問題に加えて学会員の反発を買っているのが、闇雲な押し付けだ。これまでPKOや安保法制などが選挙戦で問われた際は、学習会が催されていた。ところが今回はそれもなく「サキマと書け」だけだった、という。いまや学会員は離れる一方である。

「玉城にいれたよ」。学会の寄り合いで挨拶代わりに飛び出しているそうだ。

告示から間もない頃は、両者とも まだ ぎこちなかった。=15日、那覇市 撮影:筆者=

告示から間もない頃は、両者とも まだ ぎこちなかった。=15日、那覇市 撮影:筆者=

   ~終わり~

   ◇
玉城デニー候補が負ければ、安倍政権に異を唱え、楯突く勢力は日本からなくなります。とてつもなく重大な沖縄県知事選挙を、田中は最後まで見届けるために破産も覚悟で取材を続けています。

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