米軍普天間基地の移設をめぐる鳩山政権の迷走が止まらない。コロコロ変わる鳩山由紀夫首相の見解が象徴的だ―「12月までに私が責任を持ってまとめる」→「3月までに日本政府案をまとめる」→「3月までにというのは別に法的に決められているわけではない」→「腹案がある」。
首相の言葉に振り回される沖縄県民こそいい迷惑だ。沖縄県の仲井真弘多知事は「平野官房長官が私に言っていることとマスコミの報道が違う」と政府に不信感を示したこともある。
仲井真知事は、地元の意向に耳を傾けずに候補地を次から次にあげる鳩山政権に対して堪忍袋の尾が切れたようだ。平野官房長官との会談内容をとうとう報道陣にバラしてしまったのである。
仲井真知事によれば政府の移設案は次のようなものだった―
名護市キャンプシュワブの陸上部に代替施設を建設すると共に鹿児島県徳之島にヘリ部隊を暫定移転させる。その後、うるま市勝連半島のホワイトビーチ沖を埋め立てて本格基地を建設する。
なんたる「つけ焼刃」。しかも鳩山・民主党代表(当時)が昨年夏の衆院選でブチあげた「普天間基地の国外移設、最低でも県外移設」を完全にホゴにするものだ。
7日、冷たい雨が降るなか平和運動家や護憲団体などの50人が国会前に集結し「辺野古新基地建設を断念させるぞ」「鳩山政権は沖縄県民の声を聞け」などとシュプレヒコールを挙げた。参加者の一人は「鳩山内閣が退陣しない限り、普天間問題は収まらない」と奥歯を噛み締めた。
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