手配師 「来年はもっと仕事が減るぞ」

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1月3日まで、野宿者支援のNPOが昼500食、夕800食の食事を提供する(新宿中央公園。写真=筆者撮影)

 摩天楼の都庁が見下ろす新宿中央公園。毎週行われるボランティアの炊き出しには、路上生活者が長蛇の列を作る。墨田公園、上野公園などでも毎週、炊き出しがあり、それぞれ曜日が違うため、路上生活者たちは足さえ運べば1日1度は食事にありつける。

 新宿中央公園では、ホームレス支援団体がせめて年越しくらいは炊き出しを求めて移動しなくても済むようにと、27日から1月3日まで食事を提供する。29日からは24時間体制で医師と看護師が医療相談や診療にあたる。

 ベンチに腰を降ろし炊き出しが始まるのを待つ男性がいた。足元にはぽつんとボストンバッグ。身なりもこざっぱりしているので派遣切りに遭ったのかと思ったらそうではなかった。男性(37歳)は多額の借金がもとで路上にはじき出されて5年が経つ。飯場と根城の新宿を行ったり来たりだ。

 深刻な不況で飯場の仕事は減り給料も安くなった、という。手配師から「来年はもっと(仕事が)減るぞ」と言われた、と話す。

 「ポックリ死んだらどれだけ楽か。メシの心配をしなくていいし」。男性はつぶやいた。

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