8月28日付け記事に関する事情説明とお詫び

 8月28日付け拙サイトで「政府 パブコメ分析を三菱総研に丸投げ」と題する記事を掲載しましたが、政府の発注先は「三菱総研」ではなく「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」であることが分かりました。内閣府エネルギー環境会議事務局と三菱UFJリサーチ&コンサルティングの担当者が明らかにしました。

 経緯:
 28日、超党派で作る「原発ゼロの会」が国会内で「国民的議論に関する検証会」を開きました。ある国会議員が席上「パブコメの分析は三菱総研に依頼した」と発言したため、筆者は別の国会議員にも確認をとりました。その議員も「三菱総研」と答えました。

 今回のエネルギー・環境会議では、意見聴取会や討論型世論調査の実施を広告代理店が請け負っていることが指摘されてきました。果たして、資源エネルギー庁・長官官房総合政策課では、3回の入札公告を出し、応札によって事業者が決められていたことがウェブ上の入札結果から明らかになっています。

 それによれば、6月15日に公告が出された「「革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けた国民的議論の推進事業(国民各層からの意見の聴取等)」では、6月25日に入札が行われ、電通と博報堂が応札、博報堂が落札しました。

 2回目は同じく「国民的議論の推進事業(討論会事業に係るもの)」で、入札公告日が6月22日。7月2日に入札が行われ、博報堂とアサツー・デイ・ケイが応札、博報堂が落札したことがわかっています。

 3回目。7月25日に入札公告が出た「エネルギー・環境戦略に関するパブリックコメントに関する調査」。8月6日に入札が行われたはずでしたが、結果はウェブ上で公表されていませんでした。

 筆者は資源エネルギー庁に問い合わせました。驚くことに担当者は「入札に応じる業者がいなかったため、環境省が直接業者に依頼した」と語ったのです。環境省の低炭素社会推進室に問い合わせたところ、担当者は「三菱UFJリサーチ&コンサルティングにパブコメの一次分析を依頼した」と明らかにしました。

 国会議員が国会内で官僚から事情聴取し官僚も否定しませんでした。官僚とシンクタンク(総研)に裏取りをしても答えてくれないだろうと思い、早計にも記事にしてしまった次第です。十分な確認を取らなかった私の過ちでした。

 読者の皆様ならびに三菱総研御中には、訂正してお詫び申し上げます。

お知らせ