民主党新代表に鳩山氏、政権獲得めざし現実路線に

『政策論争には長けているが、選挙ベタでどこかひ弱い』との批判がつきまとっていた民主党。だが政権獲得が視野に入り現実路線に変貌しつつあるようだ。
 
 小沢一郎代表の辞任に伴う民主党の代表選挙が16日行われ、鳩山由紀夫幹事長が新代表に選出された。東京都内のホテルで開かれた党両院議員総会で行われた投票の結果、124票対95票で鳩山氏が岡田克也副代表に圧勝した。

 鳩山陣営選対本部の関係者は次のように勝因を分析するーー民主党参院議員のうち来年改選を迎える議員は、選挙に勝ち残るには労働組合から農家まで手堅く票をまとめる小沢さんの選挙戦術が欠かせない。大勝した07年の参院選で選ばれた議員に加えて改選を迎える議員が大きな塊となって鳩山氏に投票した。衆院票は互角だったが、参院は70票が鳩山票で、岡田票は39票。この差がそのまま岡田さんとの差になった。

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鳩山氏を新代表に選んだ民主党両院総会(都内のホテル。写真:筆者)

 小沢氏の政治手法に批判的な勢力が中心を占める岡田陣営は、世論を追い風に投票直前まで多数派工作を繰り広げた。だが来年の選挙に向けてまとまる参院民主党を崩すことはできなかったのである。

 今回の代表選は選挙期間が一週間足らずと短かったことも、非小沢グループの批判を浴びた。岡田氏支持グループの馬渕澄夫衆院議員は次のように語った。「(民主党の世論調査では)国民の76%が、『(西松事件からの不正献金事件について)小沢さんの説明責任が足りない』と思っている。国民の声に耳を傾ける日数が欲しかった。そうすればもっと国民の意見を受けた代表選挙ができたのに…」

 新代表に選ばれた鳩山氏は「この戦いは自公連立政権との戦いだった。2人(鳩山、岡田氏)が戦ったわけではない。この国をもっといい国にしたい。民主党が中心になって、日本の大掃除をやろうじゃありませんか」と述べ、挙党一致を強調した。

 秋までには必ずある総選挙で、民主党は鳩山体制で政権獲得を目指すことになるが、不安材料はつきない。

 今回の代表選挙では、小沢路線に批判的な勢力が衆院で過半数(56対54)を占めた。「小沢選挙」のモットーは汗をかき選挙区を地道に回ることだが、民主党の候補者の多くはそれを「ドブ板」と厭う。「風頼み」になれば、元の選挙ベタの民主党に戻りかねない。政権交代は遠のく。

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