【ガザからの便り】新しい命は生まれたけど…

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軍事占領で厳しい生活を強いられながらも子供たちは明るさを忘れていなかった(ガザ市内の小学校で。写真=筆者撮影)

 先日、ガザの友人からメールが届いた。長女が誕生したのだという。経済封鎖に遭うガザでミルクは満足に手に入るだろうか。医薬品が慢性的に不足するなか、病気にかかったりはしないだろうか。心配は尽きない。

 友人はガザ市内の小学校で教鞭をとっていた。写真は教え子たちだ。今年2月から給料は出なくなっていた。イスラエルによる経済封鎖が原因ではない。ガザ地区を支配するイスラム過激組織「ハマス」と敵対関係にあるファタハが締め付けているのだ。

 というのも国連や国際社会からの援助は、親イスラエル、親欧米のファタハが窓口になっているからだ。パレスチナ自治政府を握っていることもある。「ファタハVSハマス」。イスラエルに軍事占領されている者同士で敵対するのだから、これほどの悲劇はない。

 友人が勤めていた小学校は今年3月下旬、イスラエル軍のヘリコプターから空爆された。休日だったため死傷者が出なかったのが何よりの救いだった。学校といえどもハマスの拠点になっているため、イスラエル軍の標的になったのだ。

 「いつか給料が出るようになるだろう」。望みをつなぎながら無給で働いていた友人は職場さえも失ったのである。

 長女は「ヌール」と名付けた。アラビア語で「光」という意味だ。「新しい命」に光が射すことを願うのみである。もちろんガザ地区にも。

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