「検察のリークではないのか?」とキャスターが迫れば、新聞社出身のコメンテーターは「多方面から取材し、それを(検察官に)当てて感触をつかんでから書く」とリークを否定する。毎日新聞の社説(22日付)も「事件の取材先は捜査機関に限らず多岐にわたる」と検察からの一方的なリークでないことを強調している。
地検のスポークスマンは次席検事だ。検事正に続くナンバー2の地位である。大きな事件の場合、次席検事が起訴事実を記者にレクチャーする。「正式発表」である。この場では起訴事実以上のことは言わない。
だが、記者には発表以上のことを聞けるチャンスもある。事務官を通して次席検事に個別に会わせてもらうのだ。「えっ!そんなことがあったのか」というような裏話が聞ける。ただし、ニュースソースは絶対に明らかにしてはならない。
ローカルの地検であれば、捜査を担当している検事に直接会って話しを聞くことも可能だ。お宅訪問も構わない。前にも『拙ジャーナル』(18日付「『リーク満載』不健全な日本マスコミのいびつな検察報道」)で述べたが、地方勤務の時代に全国紙の記者と検事が「お友達」になることがままある。
東京地検では記者が検事に直接接触することはご法度だ。発覚すれば出入り禁止となる。だが地方勤務時代のお友達であれば、何らかの方法で連絡をつけることはできる。
記者は足を使って政界や建設業界などから得た情報を、上記の方法で次席検事や一線の検事にぶつけるのだ。「ふるい」に掛けられて、捜査で明らかになっている事実だけが残ればいいのだが、ここが鬼門だ。検察に都合の良いように“脚色”されたりもするのである。
これが情報操作だ。リークで問題なのはこの情報操作である。メディアはそれを分かっていながら記事にする。
検察にとって目障りな人物を逮捕するには、世論の同意を得なければならない。「無理線」であらん限りの法令を適用したにも関わらず、世論の反発を受けないようにしなければならない。検察はそのためにリークして世論操作するのだ。小沢幹事長の資金団体による土地購入事件をめぐる夥しいリークを見れば、それは明らかである。
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瓦礫の広域処理で北九州に飛び、大飯原発の再稼働で福井に行き、そして東電の刑事告訴で福島に……『田中龍作ジャーナル』は、現場主義が信条ですが、取材には、思わぬほど費用がかかります。
今、何が起きているのかを伝えるためには、どうしても現場に行く必要があります。重大事でありながら新聞・テレビが報道しない出来事があまりに多すぎる昨今です。
財政難にあえぎ広告を入れようか、メルマガを導入しようかと考えたこともありました。だが、記事のスタンスと矛盾する企業が広告に登場することもあります。メルマガは一人でも多くの方々に記事をお読み頂きたい、という趣旨には合いません。
これまで以上に『田中龍作ジャーナル』を充実させて、ご支援くださる方の輪を広げるしかないことにあらためて気付いたしだいです。田中龍作の現場からの発信に何卒お力をお貸し下さい。2012年6月12日
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