きょう7日、ビルマ(ミャンマー)で20年ぶりの総選挙が実施された。総選挙は軍事独裁を正当化する新憲法にお墨付きを与えるのが狙いだ。
この日、ビルマ大使館前で在日ビルマ人たちが総選挙に抗議する集会を開いた。亡命ビルマ人の抗議活動は世界一斉だ。
ビルマ大使館前の狭い道路は「投票ボイコット」を呼びかけるプラカードやスーチーさんの写真パネルなどを手にした200人余りで埋め尽くされた。
「国民を奴隷にする2010年総選挙を認めるな」、「アウンサン・スーチー氏をはじめとする全ての政治囚を釈放しろ」。大使館に向けた激しい抗議の合唱が響いた。
参加者が持ち込んだPCには、ビルマの今朝のようすがインターネットで伝えられ、映し出されていた。本国の民主化運動グループが運営する「地下放送局」による中継映像だ。「NO」と大きく書かれたTシャツを着た民主化活動家が投票のボイコットを呼びかけている。
「軍事政権に見つかったら捕まる」「危ないです」・・・PCを操作する男性は心配そうに映像を見守った。
スーチーさんの写真パネルに寄り沿うように立っている男性に話を聞いた。カチン族のトゥ・ツーマイさん(40歳)だ。学生時代、民主化運動に身を投じていたツーマイさんは軍事政権に睨まれたため、14年前、日本に逃れてきた。
「昨夜マンダレイの家族と電話で話したが『誰も選挙なんて行こうと思っていない』ということだった。軍事政権が勝手にやっている総選挙は認められない。怒りを感じる。やめてほしい。」。ツーマイさんはとつとつとした口調の中にも怒りを込めた。
BDA(ミャンマー民主化行動)のタンスウェ議長は、抗議集会の現場から本国の同士に電話をかけて情勢を聞いた。「民主化グループによるボイコット運動が効を奏して投票に行く人は少ない」という。
それでも選挙を管理するのは軍事政権だ。投票結果は、ほしいままに操作できる。軍事政権の翼賛政党であるUSPD(連邦団結発展党)の勝利は、予め決まっているようなものだ。
ODA最大供与国としてこの軍事政権を支えているのは、日本である。
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