民主党がダッチロール状態に入った。党常任幹事会はきょう、「消費税率引上げ法案」の採決で反対票を投じた議員に処分を下した。党員資格停止2ヵ月~6ヵ月の重い処分だ。
呆れるのは、鳩山由紀夫元首相に党員資格停止6ヵ月の処分を下したことである。他18人の反対議員は2か月間の党員資格停止とした。小沢グループはすでに離党しているため、党員資格停止をくらった議員のほとんどは鳩山グループだ。
同グループは、処分を決める常任幹事会と同じ時刻(午後3時~)に会合を開いた。
09年の総選挙時に党代表として「消費税は4年間あげません」と訴えてきた鳩山元首相は、すっかりメンツを潰された格好だ。政治家にとってこれほどの屈辱もないだろう。
「マニフェストは国民との契約だ。私たちはそれを守ろうとした。どちらが造反なんだ」。鳩山氏は憤懣やるかたない様子だ。
小沢Gの大量離党で政権基盤が弱まっているところに自・公の「解散圧力」は強まる一方だ。6ヵ月以内に選挙がある可能性は、極めて濃厚である。2ヵ月以内の可能性も高い。
鳩山氏はじめ鳩山Gの議員たちは、党公認が得られないまま選挙を戦うのだろうか。公認候補でないにもかかわらず、「民主党」という最悪の看板を背負わされるのである。莫大な金を使う選挙に討死覚悟で臨むバカはいない。
会合の結果「民主党に留まり内側から改革していく」ことを決めた、という。だが、あくまでもマスコミ向け発表だ。
鳩山グループの動向いかんによっては、民主党は壊滅状態となる。リーダーが資金力豊かなだけに、新党結成も思いのままだ。
国民との約束を守ろうとした政治家を有権者は見捨てない。県連や労働組合の恫喝に怯むことなく、反対票を投じた時のような信念を貫いてほしい。
◇
右肩の文章が変わっています。『田中龍作ジャーナル』は読者のご支援に支えられています。