カタルーニャ独立デモ150万人 BBCトップニュースも国営放送は過小評価

人で埋め尽くされた、エシャンプラ地区(Eixample)。子どもから老人まで参加している。撮影:アルフォンソ・モンレアル氏(筆者知人)

人で埋め尽くされた、エシャンプラ地区(Eixample)。子どもから老人まで参加している。撮影:アルフォンソ・モンレアル氏(筆者知人)

 スペイン・バルセロナで、150万人のデモが沸き起こった。「カタルーニャに自由を!」「カタルーニャはヨーロッパの新しい国」……独立を願うプラカードが踊った。
 
 9月11日はカタルーニャが18世紀にスペイン軍にやぶれた「カタルーニャの日」だ。その日に合わせて、スペインからの独立を願う人々がバルセロナに駆けつけた。その数は150万人(警察発表、主催者発表は200万)にものぼった。

 各地からのチャーターバスは1,000台以上にも及んだ。この数字はカタルーニャ州史上初の規模だという。市内の中心にある「カタルーニャ広場」は、デモ開始2時間前から独立旗を掲げた人々で溢れた。間もなく大通りは人で埋め尽くされ交通は麻痺した。

 カタルーニャ自治州はスペインの東に位置する。4つの県から構成され独自の言語と文化を持つ。ジョージ・オーウェルの「カタロニア戦記」などでも有名な過酷な内戦を経験した。フランコ独裁政権時代には公共でのカタルーニャ語の使用を禁止されるなど、辛い過去を持つ。学校教育でカタルーニャ語を禁止されていた60~70代は、話すことは出来るが書く事に不自由を覚える人も多い。

 カタルーニャ州では以前から独立を訴える動きはあった。最近はさまざまなデモの場面で独立旗が目立つようになっていたが、今月に入り、世論調査で独立を願う人が初めて過半数を超えた。背景にあるのはユーロ危機の影響を受けたスペインの大不況と言われている。

 写真提供者のアルフォンソ・モンレアル氏は次のように強調する―

 「カタルーニャの納税額は国からの地方交付税を大きく上回っている。バスク自治州のように、州で徴収した分は地元で使えるようにすべきだ。中央政府がそれを受け入れないなら、独立するまで」。

 こうした世論を盾に、アルトゥール・マス州首相 は、今月20日にスペイン中央政府へ税徴収の裁量拡大を求めて交渉を行う予定だ。財政の柱を担っているカタルーニャ州が抜けるとなれば、スペインは窮地に立たされるだろう。

 中央政府の心情を見透かすかの様に、BBCはトップニュースでデモを取り上げた。だがスペイン国営放送では、5番目の扱いだった。国営放送はどこもデモを過小評価するようだ。 《文・諏訪都・京改メ》

通常のカタルーニャ旗(赤と黄色)に青い星があるのが、独立旗だ。撮影:アルフォンソ・モンレアル氏

通常のカタルーニャ旗(赤と黄色)に青い星があるのが、独立旗だ。撮影:アルフォンソ・モンレアル氏

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