記者クラブの非常識「名刺席取り」の実態

これが記者会見名物の席取りだ。「産経新聞・●本昭●」さんの名刺が4枚も置かれていた。マスコミ各社には同姓同名が4人も5人もいるのだろうか。(13日民主党大会、幕張メッセ。写真:筆者撮影)

これが記者会見名物の席取りだ。「産経新聞・●本昭●」さんの名刺が4枚も置かれていた。マスコミ各社には同姓同名が4人も5人もいるのだろうか。(13日民主党大会、幕張メッセ。写真:筆者撮影)

 産経新聞には「●本昭●」さんが、4人もいるのだろうか?産経ばかりではない。共同通信には「●成●太郎」さんが7人いた。マスコミ各社の人事部は同姓同名が多くて大変だろう。フリーライター・畠山理仁氏の表現を借りれば、「ポーカーの5カード」なんていとも簡単にできる。

 冗談はさておき、これが記者クラブによる席取りの実態だ。アシスタントや1年生が早く会見場に行き、一人の名刺を何枚も席に置いて占有するのである。席を取らせた「上級生」はその後ゆっくりと黒塗りのハイヤーで現れる、という寸法だ。

 早くから来て長い時間並んでも席が取れなかったりするフリーランスやクラブ外メディアは堪ったものではない。正直者がバカを見るのである。

 昨年9月14日の民主党代表選挙の際、社名の書かれた紙を5枚も6枚も会場の席に置いていた某社の若手記者を民主党職員が叱り付けていた。それに反論する若手記者のセリフがふるっていた。「ホントに来るんですよ」。筆者は怒りを通り越して噴き出してしまった。大手メディアの人々の思考回路はどうなっているのだろうか。

 前出の民主党職員は「アイツら非常識だ」と吐き捨てた。世間の常識は記者クラブの非常識、記者クラブの常識は世間の非常識と言って全く差し支えない。


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