鳩山首相の新年挨拶は「小沢幹事長の指導の下で…」

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民主党仕事始め。小沢幹事長は鳩山首相に「官邸の方はいいの?」と気遣う余裕さえ見せた。難問山積で顔をこわばらせる首相と対照的だった(午前9時、党本部で。写真=筆者撮影)

 1月4日は世間が動き出す「仕事始め」。政界も動き始めた。民主党は政権党となって初めての仕事始めとなる。午前9時、永田町の党本部では鳩山由紀夫首相が党職員に新年の挨拶をした。

 「いよいよ今年が正念場。夏には参院選があります。小沢幹事長の指導の下で民主党は勝利しなければなりません……」。この後、伊勢神宮に参拝するため首相はモーニング姿だ。

 政治資金問題や指導力のなさで内閣支持率は低迷し反転上昇の兆しは見えない。首相は「5月までには米軍普天間基地の移設先を決める」と大見得えを切った。すったもんだの挙句、移設先は従来案通りに辺野古沖ということにでもなれば、鳩山内閣は支持を失う。首相交代は避けられない。

 難問を抱え試練の鳩山首相。顔色は蒼白くこわばって見えた。鳩山氏の新年挨拶を小沢幹事長は傍で見守る。こちらは余裕しゃくしゃくだ。党本部8階の役員室に行こうとする首相に「官邸の方はいいの?」と気遣うゆとりさえ見せた。

 「東京地検・特捜部が小沢幹事長(本人)の事情聴取を検討」とのリークを一部メディアが報じた。当の小沢氏の顔色はすこぶる良い。政権与党の現職幹事長本人から事情聴取するのは至難の業だ。記事は意図的なリークであることを十分にうかがわせるものだった。

 桜の咲く頃には政治資金規正法違反の罪に問われている小沢氏秘書の判決があり、夏には参院選挙がある。検察、そして自民党との最終戦争の行方が、日本政界の動向を左右する1年となるだろう。

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