脱ダム宣言の田中康夫氏、国土交通大臣か

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命がけの選挙戦に勝利した田中康夫・新党日本代表(東京・平河町の同党本部で。写真=筆者撮影)

 衆院選(兵庫8区)に出馬し公明党の冬柴鉄三・元幹事長を破った新党日本代表の田中康夫氏が、「鳩山新内閣の国土交通大臣に就く」との下馬評があり、民主党首脳部も選挙の論功行賞として前向きに検討している。民主党関係者の話で明らかになった。

 田中氏は長野県知事時代、「ダムはムダ(無駄)」としてダム建設中止を唱え、国土交通省と戦った実績があり、それも評価されているものと見られる。

 民主党は八ツ場ダムの建設中止をマニフェストに盛り込んでおり、ダム建設に頼ってきた地元は民主党政権誕生で大揺れだ。田中氏は地元住民との調整で手腕を発揮できるものと期待される。

 参院から鞍替えした田中氏が出馬した兵庫8区は、8期目を目指す冬柴氏の“金城湯地”。選挙カーがパッシングに遭ったり、演説中に罵声を浴びせられるなどするなか、まさに命がけで戦ってきた。

 田中氏と民主党の小沢新幹事長は師弟関係。師匠の小沢新幹事長が田中氏入閣を後押ししそうだ。「江戸の仇を長崎で討つ」ではないが、「長野の仇を霞ヶ関で討つ」か。国交省官僚は恐々としていることだろう。

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