民主党提案の内閣不信任は14日午後、衆院本会議で否決されたが、参院に提案された麻生首相問責決議案は可決された。民主党がすべての国会審議を拒否するため、国会は事実上閉会。解散・総選挙の日程が決まったにもかかわらず、自民党の古賀誠選挙対策委員長が辞意を表明した。永田町では国民不在のドタバタ劇が続く。
有権者はこの政治状況をどう見ているのか?総選挙ではどこに投票するのか?などを東京・有楽町で聞いた。街頭インタビューした有楽町マリオン前では民主党の国会議員が内閣不信任への理解と支持を訴えていた。
「政権交代はあった方がいい。自民党政治はダメ。政治を変えないとダメ。(21日予定の)解散は遅かった。(東京都議選の大敗を受けて麻生首相が『国政と地方選挙は関係がない』と言ったことについて)『関係がない』というのはおかしい。関係がある。だから千葉市長選挙も静岡県知事選挙も自民党が敗れた」(30代男性・千葉県在住)。
「内閣不信任は国民みんなが思ってんじゃないの。官僚腐敗を切らなくてはいけない。西川(日本郵政社長)はクビにすべきだ。民主党は安全保障政策が心配だが、民主党にやらせるしかない」(70代男性・都内在住)。
「一回政権交代をした方がいい。解散は遅かった。麻生さんは総理になった時に解散すべきだった」(30代男性・青森県在住)。
「解散は遅過ぎた。1年間の空白で日本が落ち込んでいった。世界の笑いものだ。民主党
は浮き足だたずに政権交代を目指してほしい」(60代男性・都内勤務)。
「解散は遅い。自民党が麻生さんを選挙の顔として信用したのが間違いだった。小泉さんが降りる時に総選挙をすべきだった。政権交代は当然だ」(60代男性・都内在住)。
「解散は遅すぎた。自民党全体がおかしい。政権交代はあった方がいい」(60代女性・都内在住)。
「麻生さんは総理になった時に解散すべきだった。時間のロスが続いた。政権交代が必要。国民不在の政治を止めさせるしかない」(70代男性・都内在住)。
「日本国民は我慢強いがこれが限界。先ず(政権が)代ってくれ。総選挙で民意を問うてくれ。自民党は下野すべきだ。民主党がすべていいとは思わないが、政権交代すべき」(60代男性・千葉県在住)
「麻生さんは何度も解散する機会があったのに、遅すぎた。日本のトップに判断力がないから国民が自民党から離れていった。政権交代は決まっているのだから、民主党はマニフェストをどこまで実行できるかが問題」(60代男性・新潟県在住)。
質問した有権者は全員「政権交代すべき」と答えた。うち3分の2はこれまで「自民党支持だったが、今度は民主党に入れる(投票する)」と話した。民主党の街頭演説であるにもかかわらず、自民党支持者が炎天下、熱心に耳を傾けていたのである。
選挙の司令塔である古賀選挙対策本部長の辞意表明を受けて反麻生勢力も勢いづくものと見られ、解散・総選挙への道筋はいささか不透明になってきた。日程通りに実施されたとしても、党とは別のマニフェストを立てて選挙を戦うグループも出そうだ。こうなると分裂選挙である。混迷の度は深まりこそすれ、収まる気配はない。
筆者がインタビューした時点でも有権者や支持者は、自民党に対する不信感を極度に募らせていた。「国民不在の内紛と無策はもうたくさんだ。1日も早く解散して民意を問うて、政権交代してくれ」というのが街の声だった。