庶民革命を掲げて名古屋市長選挙に初当選し早や3ヶ月が過ぎた河村たかし氏が30日、日本海外特派員協会で講演した。河村市長は「減税せずに脱官僚はない」などと話した。
河村氏は1948年名古屋生まれ。春日一幸・民社党委員長の秘書などを経て、1993年に衆院初当選、以後5期衆院議員を務めた。2009年4月、名古屋市長選挙に立候補。庶民派のイメージで鳴る河村氏が訴える「市民税10%減税」は有権者の支持を集めた。51万票余り(得票率58・56%)を得て圧勝、初当選した。
国会議員時代、民主党内で群れず歯に衣着せない発言が真骨頂だった河村氏。毒舌は「大名古屋」の市長となっても衰えていなかった―ー(以下講演内容抜粋)
日本政治の深刻な病は議員の職業化。議員が職業化すると必ず強い者の味方をする。長く議員をしたがる。強い者すなわち役人とくっつく。「議員・官僚連合軍」となる。「議員・役人連合軍」VS「庶民」じゃ、庶民はたまったものではない。政権交代より議員交代が必要だにゃあ。
役人の好きな食べ物は税金。嫌いな物はタックスカット(減税)。(市長になって)初めて気づいたのは「税金の無駄遣いをなくそう」というスローガンのうそ。日本の政治は何十年、「税金の無駄遣いをなくせ」と言ってきたことか。
100億円あったとする。減税しなかったら100億円は役所の中で右から左に動くだけ。減税せずに脱官僚はない。自民党が「天下りを3年後になくす」と言ってるが、その分の金はどこに行くんですか?減税しない天下り禁止は役人の手のひらで転がされているだけ。
オバマが大統領選で金を集めたと言っても日本人の方がはるかに政治に寄付している。税金という形で。(政党交付金の原資として)4年間に1200億円の税金を払っている。4年に1度の米大統領選挙でオバマが集めたのは600億円。マケインは200億円。日本の人口はアメリカの半分ですよ(1人あたりでは米国民の3倍払っていることになる)。
(民主党が政権を取りそうなことについては)税金で経営するラーメン屋が2軒(自民と民主)あったとする。2軒とも潰れない。政権交代で大きくなるが、美味いラーメンは食えない。民主党は庶民のための戦いをせにゃならん。政治の職業化は税金を払う方が苦労し、食う方が楽をする。
ーーー(河村名古屋市長の話はここまで)ー-ー
河村氏は自らの給与を名古屋市内の60歳男性の平均年収にまで下げた。極めて稀有な事例である。
「改革を止めるな!」と絶叫した首相(当時)は息子を同じ選挙区から出馬させた。「痛みに耐えろ」と言って国民に痛みを押し付けたが、息子にはしっかり特権を譲った。政界ではこちらが主流だ。
河村氏は「議員は税金で身分保証されたらやめない。4代続く」と指摘する。図星ではないか。