【続報】普通の人々が「原発は要らない」

女性は「『原発は安心』とメディアに刷り込まれていた」と悔しがった。後ろは東電本社ビル。(27日、千代田区内幸町。写真:筆者撮影)

女性は「『原発は安心』とメディアに刷り込まれていた」と悔しがった。後ろは東電本社ビル。(27日、千代田区内幸町。写真:筆者撮影)

 1千人を超える市民が銀座を練り歩いたデモは、これまでの「反原発運動」のイメージを一新させるものだった。
 「右も左も」「環境論者もそうでない人も」問わなかった。生命と生活に危機感を覚える普通の人々が「原発は要らない」と訴えた。

 『私、原発に無関心だったことを反省しました』とペイントで書いた手製のプラカードを持っているのは、都内在住の女性(30代前半・写真)だ。デモに参加するのは今回が初めてという。

 今、子供はいないがいずれ出産する予定だ。「ただちに健康に影響はない」と政府がお気楽なことを言っても、放射性物質が女性の体内に蓄積されれば胎児に影響を与えないはずはない。

 「メディアが『原発は安心』と言っていたので、私もそれを信じていた。それが悔しい。今度の事故で普通の人々が立ち上がった」。彼女は率直に語った。

大地震発生翌日、菅首相は福島原発を視察したが東電から「大丈夫です」と騙された。「死神・東電」と「無能・菅」を皮肉ったコスチューム。(27日、日比谷公園。写真:筆者撮影)

大地震発生翌日、菅首相は福島原発を視察したが東電から「大丈夫です」と騙された。「死神・東電」と「無能・菅」を皮肉ったコスチューム。(27日、日比谷公園。写真:筆者撮影)

 神奈川県の三浦半島で有機農業に取り組む男性(40代)は怒りを表す。「命を育む水と土と空気が放射能で汚された。今こそ原発をなくす良い機会だ」。

 新エネルギーの開発に取り組む男性(40代・武蔵野市)は、水車発電を提唱する。
「中山間地帯の多い日本では中小の河川が無数にある。それを利用して水車を回し集落単位の電力源にする。水力は安定電源。長距離の送電システムを使って新潟から原発の電力を運ぶ必要もない」。

 原発の安全管理を「政・財・報」挙げておざなりにしてきたツケは、あまりにも大きかった。

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