「結婚して子供を産みたいんですけど、今の日本では安心して妊娠できません」――七夕の日、東京電力に「原発の停止」を要請した母親たちに混じって参加した女性(30代・会社員=都内在住)は、声を絞るようにして訴えた。
彼女は食品や水に細心の注意を払う。野菜は西日本産、水はペットボトルと決めている。国内産の魚は口にしない。大好きだった牛乳もやめた。
脱原発の集会・デモに行くと「食べ物には用心に用心を重ねている」と話す未婚の女性によく出会う。放射能汚染に敏感になっているのは母親たちだけではない。
子供たちを危険に晒し、新しい生命の誕生さえ危うくするのが原発事故だ。子供を産み育てる女性に、不安を抱かせるような国家に将来はない。