今夜、永田町の自民党本部前がシュプレヒコールの嵐に包まれた。「約200人が集まって原発反対の声をあげている」。参加者のツイートを見るや、筆者は押っ取り刀で駆け付けた。
国会図書館あたりに差しかかると、ドラム隊の弾ける音と「再稼働反対」の声が耳をつんざいた。現場に着くと参加者は400人近くまで増えていた。抗議行動の主催者は金曜日の官邸前行動と同じ「首都圏反原発連合」だ。
「自民は落ちろ、全員落ちろ」「安倍(晋三・総裁)も要らない、甘利(明・元経産相)も要らない」「与党に戻るな」……パーカッションや管楽器の音に乗った強烈なアピールが自民党本部ビルに突き刺さった。
官邸前の参加者が爆発的に増える前とよく似た熱気だ。平日の夜にこれだけ人が集まり「原発反対」の声をあげるのである。
自民党が市民に包囲された、と言っても差支えがないほどの盛り上がりだった。マスコミは自民党が政権に復帰したかのように書き立てる。だが有権者から厳しく「ノー」を突き付けられている政党が、与党に返り咲いたところで何の意味があるのだろうか。