都心が計画停電しても民放はバラエティー番組

ネオンが消え人通りもまばらな銀座4丁目交差点。(25日夜8時、写真:筆者撮影)

ネオンが消え人通りもまばらな銀座4丁目交差点。(25日夜8時、写真:筆者撮影)

 東京電力の藤本孝副社長は25日夕の記者会見で、需給がひっ迫すれば23区(都心)まで計画停電の範囲を広げる可能性もあることを示唆した。

 都心も計画停電のエリアに入るようなことになれば、民放も停電対象となる。ピンポイントで特定の施設だけ通電するのは不可能だからだ。

 民放は、東電が「原発は安心・クリーンなエネルギー」と国民の頭に刷り込むための広報機関でもある。東電が自らの広報機関を停電させることができるのだろうか?

 筆者は意地悪く藤本副社長に質問した。「23区まで計画停電を広げた場合、民放も停電の対象となるのでしょうか?」

 副社長はためらいの表情を浮かべながら「政府と相談して決める」と即答を避けた。

 東電は民放を停電させることはない、と筆者はにらんでいる。事故が一段落してほとぼりが冷めたら「東電のイメージアップ」のためのCMを打たなくてはならないからだ。

 政府と相談しても民放の停電には内閣記者会が反対することは目に見えている。民放各社だけではなく民放の大株主である新聞社も反対するからだ。

 猛暑の中クーラーを使えず人々が熱中症でバタバタ倒れても、3流芸人がバカ騒ぎするバラエティー番組を民放は流し続けるのだろうか。


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