「子供のためにも原発は要らない」 世田谷デモ

乳母車を押す母親は東京都の浄水場から基準値を上回るヨウ素が検出された時「(安全な)飲料水を求めて駆けずり回った」。(5日、世田谷。写真:筆者撮影)

乳母車を押す母親は東京都の浄水場から基準値を上回るヨウ素が検出された時「(安全な)飲料水を求めて駆けずり回った」。(5日、世田谷。写真:筆者撮影)

「こどもの日」の5日、父母らが「子供のためにも原発は要らない」と訴えて世田谷の閑静な住宅街をデモ行進した(主催:世田谷エネルギーシフト55実行委員会)。

 デモ出発前の集会には「反原発」を唱えて区長選挙に当選した保坂展人氏も参加した。

 放射能汚染による最大の犠牲者となるのが子供たちだ。筆者はこれまで数々の「反原発デモ」を取材してきたが、今回は特に子供連れが多かった。

 台東区在住の父母は2歳の子供を抱いて参加した(写真下段)。東電福島第一原発が爆発事故を起こした直後は子供を連れて三重県に避難した、という。
 父親(30代)は憤る―「自分で状況を判断して自分の子供を守るしかない。政府発表は当てにならないから。マスコミ、特にテレビはウソというか、当たり障りのないことしか言わない」。

福島原発1号機が爆発した直後、夫婦は子供(肩車)を連れて三重県に避難した。(5日、世田谷。写真:筆者撮影)

福島原発1号機が爆発した直後、夫婦は子供(肩車)を連れて三重県に避難した。(5日、世田谷。写真:筆者撮影)

 地元世田谷から参加した父母は小3と小1の子供と一緒だ。父が「原発を止める方向で考えてほしい」と語れば、母は「(政府は)情報を隠さないで公開してほしい」と話す。

 いずれの親も子供を守るために懸命だ。次の世代を担う子供たちを保護するのが国家の仕事であるはずなのに、実際に進めていることは逆だ。政府は子を持つ親を不安のどん底に陥れているのである。

 「子供のためにも原発は要らない」そして「子供のためにも菅政権は要らない」と叫びたくなった筆者だった。

 

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