脱原発の砦として経産省前に立つテントが風雲急を告げている。枝野幸男経産相はきょうの記者会見で、テントの撤去を文書で要請することを明らかにした。撤去要請の理由として「昨年末のボヤ騒ぎ」や「国有地の不法占拠」などを挙げた。
経産省正門脇の国有地に立つテントは昨年9月、護憲団体などが建てた。原発問題に関心の高いサラリーマンが仕事帰りや出張のついでに立ち寄るなど、「脱原発の市民広場」のような存在ともなっている。
枝野大臣の撤去要請を受けて、テントで座り込みを続けてきた女性(60代)は反発を示した。「(撤去は)断固阻止する。なんで税金泥棒の言うことを聞かなきゃいけないの」。
一方、立ち上げ当初からテントに泊り込んできた男性は意外とクールだ。「テントありきではない。あくまでも『原発再稼働の阻止』、『福島県民の避難の権利確立』をアピールするための手段としてテントは存在する。警察が強制撤去に来ても抵抗しない」。
枝野大臣は「できるだけ自主的に撤去してもらいたい」としているが、テントを守るグループの中には強硬派も存在するだけに、事態が緊迫することも予想される。