【福井報告】 弱者の味方も今は昔 仙谷氏「他の原発も再稼働する」

筆者の質問に鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする仙谷氏。=14日、福井県自治会館。写真:諏訪 京 撮影 =

筆者の質問に鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする仙谷氏。=14日、福井県自治会館。写真:諏訪 京 撮影 =


 16日、名古屋市での講演で「原発を止めたら日本が集団自殺することになる」と国民を脅した仙谷由人政調会長代理。電力業界とのつながりが深いといわれるこの御仁は、14日、大飯原発の地元福井でも「電力需給の問題から(他の原発も)再稼働する」と豪語していた。

 大飯原発再稼働に向けて地元議員(県議、市議)のネジを巻きに福井市を訪れた仙谷氏は記者会見し怪気炎をあげた。

朝日新聞記者:大飯原発が再稼働したからと言って夏の電力需給がうまく行くとは限らない。夏までに他の原子炉も動かしたいか?

仙谷:「電力需給の問題からして絶えず節電要求をし、計画停電しなければならないような事態は避けるべき。各地域に展開した原子力発電所において安全性が確認され地元のご理解があれば再稼働することになる」

田中:原発に雇用や経済を依存している福井県では、「原発反対」と声を上げたくても上げられない状況にある。こうした中、地元議員が3人も「再稼働は慎重にすべし」と発言した。サイレントの民の声を、かつて『弱い者の味方』だった仙谷先生はどのように受け止めているか?『弱い者の味方』だった仙谷先生のご見解を聞きたい。

仙谷:「それは極めて失礼な話だ。私はいまだに『弱い者の味方』だと思っている」

田中:電力業界の味方ではありませんか?

仙谷:「いえ、電力業界の味方ではありません。私は電力業界の改革もしなければならないと思っている。あなたの仰しゃる『弱者の味方』とはベチャベチャのマクロ的な観点のない、その人にベチャっとついていれば『弱者の味方』というような話に過ぎない…(後略)」。
(仙谷氏は自分の言いたいことだけを話すと、「ハイ」と打ち切ってソッポを向いた)

フリー記者:仙谷さんが経産官僚の代弁者のような印象を受けた。というのは、国家戦略室の経産省出身者が「この夏、電力需要はひっ迫する」という試算を出した。一方で民間調査機関は「電力は余る」という別の試算を出している。何で経産省からの出向組が恣意的に出した「電力は足りない」という試算に基づき再稼働を急ぐのか?

仙谷:「今年の夏までに原発が動かないとすれば、絶対量として関電管内では340万(kw、不足する)。どこから掻き集めてくるか。自家発電を掻き集めてきてとか仰しゃるが、常識的に考えて、よって立つ基盤が違う」

厳しい質問には眉間に縦ジワを寄せ露骨に嫌な顔をした。=写真:諏訪 京 撮影 =

厳しい質問には眉間に縦ジワを寄せ露骨に嫌な顔をした。=写真:諏訪 京 撮影 =


諏訪:県庁前の大規模な「再稼働反対デモ」は御存じか?

仙谷:「拝見していない」

諏訪:それについてどのようにお考えになるか?

仙谷:「そういう立場の考えの方がそういう声を上げていると(認識している)。専門的な観点からも検討して、県議会議員の声、国会議員の声を総合して勘案しなければならない。日本インターネット新聞社は福井にあるんですか?福井の方どうぞ。

東京新聞記者:東京新聞ですが。

仙谷:「東京新聞は福井ですか?」

東京新聞記者:今回の「再稼働基準」は、ベントフィルターや免震棟を中長期の対策に位置付け、深刻な事故は起きないので数年後でいいということで再稼働にゴーサインを出した。これは新たな「安全神話」ではないか?

仙谷:「そうは思いません。PWR(加圧水型原子炉)とBWR(沸騰水型原子炉)は全然違う。40年前の機種と大飯の3~4号機は全く違う」。

 PWRは事故が起きない、と見るのはりっぱな「安全神話」だ。電力需要についても仙谷氏の説明は具体性、科学性を欠いた。厳しい質問をする記者には露骨に嫌な態度を示す。老害という他ない。論理も内容もない偏屈なジジイが、つながりの深い電力業界のために「原発再稼働」の旗を振っているのである。
(文・諏訪 京/田中龍作)
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 詳しくはIWJの録画をご覧ください。

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