北電泊原発3号機にきょう深夜、制御棒が入り、日本中の原発がすべて停止する。原子力村の総本山とも言える経産省の周辺は、祭日の長閑さの中にもピンと張りつめた空気が漂う。
正門は閉ざされ、簡易バリケードが張られている(写真下段)。夕方、福島から上京してくる人達が経産省を包囲する計画があり、それに備えての措置だ。
同省前の名物ともなった『脱原発テント』はきょうで238日目を迎えた。座り込みやハンストに参加してきた市民が、朝から詰めかけ賑やかだ。
『原発ゼロを実現しよう』。自ら墨で書いたプラカードを首から下げた女性(写真上段=都内在住・70代)は、これまでハンストに3回参加した。テントの常連でもある。つくば市に孫2人(3歳と6歳)が住む。東海第2原発が近くにあり気を揉む。
「お婆ちゃんとして、孫たちの世代のために原発をゼロにしなければ死んでも死にきれない。これからも永続的に命を賭けて戦う」。女性は声を詰まらせながら話した。
きょう(5日)は全国各地で、すべての原発が停まることを祝うデモや集会が催される。『田中龍作ジャーナル』は脱原発に寄せる人々の思いを終日、リポートする。