日本中の原発がすべて止まる瞬間を祝うカウントダウンが5日深夜、東京高円寺で行われた。
高円寺は昨年4月、参加者1万人をゆうに超える脱原発市民デモが誕生した地だ。「杉並デモ」の名で定着した感がある。カウントダウンを企画したのは、デモの運営に当たっている青年たちだ。
JR高円寺駅北口の広場が会場となった。残る1基となった北電泊原発が発電を止める午後11時直前から、「10、9、8……」と数え始めた。ゼロになった瞬間、参加者たちは手を突き上げ、クラッカーを鳴らし快哉を叫んだ。
「枝野(経産相)さんが“一瞬止まる”と言ったことが示すように、やがて再稼働するでしょう。こちらも一瞬“ワー”と声をあげるためにカウントダウンをした。福島の実情を考えれば再稼働はありえない。どれだけ恥ずかしいことをしているのか分からせるための企画だ」。漫画家の男性はカウントダウンの意義を語った。
米国人の男性(英会話講師・30代)は「原発がゼロになったことは嬉しい」と素直に喜んだ。「地震が多くて狭い日本に50基もの原発がひしめいているのは安全ではない。電気は足りてるじゃないか」。彼は首を傾げた。
カウントダウンが前夜祭なら、6日はメインイベントの「杉並デモ」だ。組織にとらわれない市民5千人あまりが参加するものと見られている。デモ隊は国際社会が不信感を抱く「再稼働安全神話」のデタラメさをアピールし、「原発ゼロよ永遠に」と訴える。
《文・諏訪 京/田中龍作》
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