熱中症で命を落とさないために

 東京都監察医務院によれば梅雨明けから今月16日までの1ヶ月間に東京23区で熱中症により死亡した人は100人に上った。うち70歳以上が83人もいた、という(各種報道より)。熱中症の犠牲者はお年寄りに集中しているようだ。

 わずか1ヶ月、それも23区だけで100人も命を落とせば立派な災害である。にもかかわらず、マスコミは「今日は○○ヶ所で猛暑日」などとまるでお役所のような報道を繰り返す。死亡者の生活を探り、熱中症から逃れる方法を伝えるべきだ。

 「生活保護を受けられなかったためにクーラ-も使えなかった」――生活保護申請が認められなかったことが原因であったりすると大きく報道する。だが、年金生活者(国民年金だけ)の場合、生活保護受給者よりも収入は低い。こうしたお年寄りはクーラーを回したりすると電気代が払えなくなるので、クーラーを使えない。灼熱地獄のなかで苦しみながら命を落としたのだろう。

 北向きで陽当りが悪く建物の構造がしっかりしていない限り、昼間はクーラーの効きがすこぶる悪い。電気代を浪費するだけだ。我が家は陽が落ちてから、やっとクーラーを始動させる。日中は体中を焼かれるようだが、夜間は体の火照りも収まる。

 自らの恥をさらすようだが、我が家はもし妻に収入がなかったらクーラ-など全く使えない。夜も熱暑に苦しめられていることは確かだ。熱中症に罹り救急搬送されているかもしれない。

 市役所・区役所やマスコミは無料で涼める所を広報すべきである。役所は老人だけでも冷房の効いた施設に分散して連れて行くことだってできるはずだ。マイクロバスでデイケア・センターに送り込むノウハウを使えばよい。

 前稿の繰り返しになるが、猛暑の日は涼める場所や施設をめざして外出した方がよい。体育館のロビー、大型スーパーなどにはベンチがあって冷房も効いている。ちなみに筆者は取材に行くのに遠回りしてできるだけ長い時間、地下鉄に乗るようにしている。

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