【大飯原発再稼働】 7月16日頃、営業運転開始 「安全監視体制」お寒いまま

「特別な監視体制」についてブリーフィングする原子力安全保安院。=16日、経産省別館。写真:田中撮影=

「特別な監視体制」についてブリーフィングする原子力安全保安院。=16日、経産省別館。写真:田中撮影=


 大飯原発3、4号機の再稼働がついに現実のものとなった。野田政権の最終決定を受けて関西電力はきょうから再稼働に向けた作業に入った。

 原子力安全・保安院によれば3号機から動かす。制御棒を抜いて原子炉が起動を始めるのがきょうから約10日後(6月26日頃)だ。営業運転を開始するのは約1カ月後(7月16日頃)との見通しを示した。

 枝野幸男・経産相は再稼働を最終的に決めた後の記者会見で、再稼働のスケジュールについて「日にちを上げていつとは言えない」とかわしていたが、事務方への取材で上記のように明らかになった。

 野田政権肝いりの「特別な監視体制」もお寒い。経産副大臣をトップとする「常時監視・緊急対応体制」を編成した―と麗々しいが、総勢20名だ。原発の専門家ではない政治家を責任者に置いて事故が起きた時の混乱は、福島のケースが証明している。

 何よりこの「監視体制」が心もとないのは、新規制庁誕生までの暫定的な措置でしかないということだ。

 ベント装置もない。避難経路も確保されていない。野田政権は根拠なき安全宣言と実態なき安全対策で、超危険物である原発を動かし始めた。

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