どこで採れたものやら分からない。ましてベクレル数も分からない。食べ物を口にする時、多くの人が抱く不安だ。政府やマスコミが「安全性」を強調し「食べて応援しよう」などとキャンペーンを張ったところで、食物摂取による内部被曝への不安は付いて離れない。
こうしたなか、産地や食の安全性に徹底的にこだわる飲食店が横につながった。その名も「飲食セーフティーネットワーク」(代表:藤井悠さん)。「放射能から子どもたちを守る全国ネットワーク」の事務局スタッフを務めている藤井さんが、「飲食の世界でも放射能から客を守りたい」と思い立ち上げた。
「ネットワーク」には現在のところ10店舗が加盟しているが、参加を希望する飲食店からの問い合わせが絶えない。2日、ネットワークの事務局が置かれている都内のレストランで開かれた学習会には、伊豆でペンションを経営する夫婦などが出席した。
「伊豆にまで放射能が飛んで来ているとは思ってもいなかった。“飲食セーフティーネットワーク”のことを知り感心した。学習会で得たことを参考にこれからも安全な海の幸、山の幸を提供してゆきたい。」。
内部被曝に詳しい医師も「飲食セーフティーネットワーク」の登場を歓迎する。都内の大学病院に勤務する内科医(30代・女性)は「産地に気を付けて昼、夜の食事は自炊している。飲食セーフティーネットワークの店は安心して美味しい物が食べられるので幸せ。それができない世の中になったことが切ない」と複雑な表情で語った。
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