【原発再稼働】 自民党本部前での抗議行動 警察指導で離れた場所に移動

いつもはすぐ目の前にある自民党本部だが、今夜は遠くから再稼働反対の声をあげた。=21日午後8時頃、永田町。写真:島崎ろでぃ撮影=

いつもはすぐ目の前にある自民党本部だが、今夜は遠くから再稼働反対の声をあげた。=21日午後8時頃、永田町。写真:島崎ろでぃ撮影=

 

 自民党の政権復帰を早々と見せつけられた。毎週金曜夜、自民党本部正面で行われていた抗議集会が、警察の指導により南へ50mほど移動させられた。

 21日午後8時前。自民党本部正面のバス停でいつものように抗議の声をあげる準備をしていたメンバーは制服・私服の警察官10数人に取り囲まれた。「あちらに準備しています」からと促され、参院会館の横まで連れて行かれたのである。

 常連メンバーの一人は「圧勝で自民党が早くも幅を利かせ始めた。悔しい」と顔をしかめた。リーダー格のノイホイ氏(ハンドルネーム)は「これだと声が届きませんねえ」とボヤキながらもスピーカーのボリュームを一杯にあげて抗議した。

 警察は予算と人事で縛られるため政治に弱い。政権復帰した自民党の顔色を伺っての措置と見てよい。

警察官に囲まれながら脱原発のスピーチをするノイホイ氏。後ろ(写真左側)にも制服・私服の警察官がゾロゾロついた。=写真:島崎ろでぃ撮影=

警察官に囲まれながら脱原発のスピーチをするノイホイ氏。後ろ(写真左側)にも制服・私服の警察官がゾロゾロついた。=写真:島崎ろでぃ撮影=

  【総選挙後、初の官邸前抗議は…】

 総選挙後初めての金曜日となった今日、官邸前の原発再稼働反対集会が行われた。選挙では脱原発勢力が落選し大きく後退したため参加者たちは落胆を隠せない。沈滞した空気が垂れ込めた。

 官邸の主は野ブタからタカに代わる。「戦争来るぞ、ファシスト来るぞ」…官邸前の歩道を70年安保の闘士がチェ・ゲバラの旗をかざして歩く。

 来週水曜日にも誕生する安倍政権を参加者たちは一様に不安視しているようだ。神戸から母親と共に新幹線で駆け付けた予備校生(19歳)もその一人だ。

 「安倍政権が心配なので来た。原発再稼働も含めて憲法改正、教育基本法の改悪は撤回してほしい。選挙は自民が勝ってがっかり。第3極が一緒になればよかったのに」。

 埼玉から毎回のように足を運んでいる男性(会社員・40代)は警戒する。「何だかんだ言いながら野田首相だから抗議活動ができた。安倍さんになったらこういうことができなくなるかもしれない」。

 危惧される官邸から500mと離れていない自民党本部前での抗議行動だったが、不安は現実のものとなった。

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