【沖縄県知事選挙】「デニーが負けたらヤマトに踏みつぶされるぞ」本土支配恐れる戦前世代

菅官房長官。「中央とのパイプを持ち沖縄の経済を発展させるのは佐喜眞候補だけ」と強調した。本土支配に対する沖縄県民の嫌悪感を読みきれていないようだ。=16日、那覇市 撮影:筆者=

菅官房長官。「中央とのパイプを持ち沖縄の経済を発展させるのは佐喜眞候補だけ」と強調した。本土支配に対する沖縄県民の嫌悪感を読みきれていないようだ。=16日、那覇市 撮影:筆者=

 「今度の戦(いくさ) マキテー ナイビランド。ウチナー チャーナイ ワカランド」(県知事選挙は負けてはならない。沖縄がどうなるか分からない)。沖縄戦を知る85歳のオバアは血相を変えて言った。

 「デニーが負けたらヤマトに踏みつぶされる。恐ろしいことになるぞ」。戦前生まれの男性は鬼の形相で語る。

 自民党は選挙期間中、竹下亘総務会長を沖縄に張り付かせ、菅官房長官と小泉進次郎・筆頭副幹事長を、それぞれ3度も送り込んだ。大物たちは街宣車に乗り、佐喜眞候補が中央政府とのパイプ役になると強調した。国頭郡の町長経験者はこれを「本土支配」と吐き捨てるように呼んだ。

 国から予算が投下されても、東京のゼネコンから吸い上げられるだけで、沖縄が豊かになるわけではない。多くの沖縄県民はそれを理解している。

 辺野古の基地建設は沖縄と本土の関係を象徴する。公共工事は、ゼネコンが潤うことは言うまでもないが、政治家に総工費の5%がキックバックで行く。相場で、だ。

 辺野古を抱える名護市の稲嶺進市長(当時)に「新基地が辺野古の埋め立てになったのはアメリカ側の都合ではなく、日本側の都合のようですね」と質問したことがある。稲嶺市長はカッと目を瞠いて「その通り」と答えた。ドスの効いた声だった。「日本側の都合」は稲嶺氏に限らず沖縄の行政関係者の共通認識と言ってよい。

デニー氏は女性からの支持で相手候補を上回る。=24日、中城村 撮影:筆者=

デニー氏は女性からの支持で相手候補を上回る。=24日、中城村 撮影:筆者=

 辺野古の埋め立て承認を撤回した翁長知事に、官邸は損害賠償請求をほのめかした。安倍支配は司法にまで及ぶ。政府が訴えれば損害賠償請求は認められるだろう。莫大な金額となる。

 翁長氏は生前「(損害賠償を)職員に負わせてはならない」と語っていたという。想像を絶するストレスが氏を急逝させたとも言える。政治経験が長く沖縄を深く知る知人は「暗殺に等しい」と言葉を極めた。

 自公候補に猛烈に追い上げられ苦戦していた玉城候補だったが、転機は22日に那覇市内であった1万人集会だった。故翁長知事夫人が登壇し「ウチの人の遺志を継ぐのがデニーさんだと分かり涙が止まりませんでした」と言って事実上の後継指名をしたのである。

 翁長選対の重鎮だった古老によれば、夫人は「49日が済むまでは外(公の場)に出ない」と渋っていたという。「アンタ、そんなこと言ってたら選挙は大変なことになる(負ける)よ」と言って古老たちが説き伏せたのだった。

 「ウチナーンチュ マキテー ナイビランド」。翁長知事の遺志が安倍官邸の強権に勝てば、明日30日、「デニー新知事」の誕生となる。

竹下亘・自民党総務会長はいつ見ても険しい表情だった。=23日、宜野湾市 撮影:筆者=

竹下亘・自民党総務会長はいつ見ても険しい表情だった。=23日、宜野湾市 撮影:筆者=

     ~終わり~

     ◇
オール沖縄という最強の共闘態勢で負ければ、今後は誰が、どう束になっても自公には勝てないことになります。

日本が暗黒社会に足を踏み入れてしまうのか。重大な局面となる沖縄県知事選挙を、田中は破産を覚悟で最後まで見届けます。ご支援何とぞ宜しくお願い申し上げます・・・
http://tanakaryusaku.jp/donation

沖縄

【沖縄県知事選挙】学会の寄合いで飛び交う「玉城に入れたよ」

 学会員が学会員ではない友人(Friend)に特定候補への投票を依頼する・・・これを「F獲り」と言うのだそうだ。腕の立つ学会員であれば、1人で70〜100票のF獲りをこなしてきた。  ところが今回の選挙ではこのF獲りに苦 …
続きを読む»

告示から間もない頃は、両者とも まだ ぎこちなかった。=15日、那覇市 撮影:筆者=

【衆院選】 「自民100人を落選させよう」 過半数割れで安倍退陣

 山本太郎参院議員が「自民党100人落選キャンペーン」を展開中だ。  先ずはネット。「さよなら安倍政権」というタイトルのHPで約200選挙区について、この野党候補に票を集中すれば、「自民党候補に勝てる」あるいは「逆転の可 …
続きを読む»

山本議員は「国会がまともに運営できるように与党の票を野党側に移して頂きたい」と訴えた。=8日、赤羽駅前 写真:筆者=

秘密保護法いよいよ 施行日、来月上旬に閣議決定

 国民の知る権利を奪う「特定秘密保護法」の施行日は、来月上旬に閣議決定されることが、分かった。きょう東京地裁で開かれた「特定秘密保護法・違憲訴訟」の口頭弁論で、被告国側の弁護団が明らかにした。  国の安全保障にかかわる情 …
続きを読む»

原告団は出勤途上のサラリーマンにチラシを配布し理解を求めた。=17日、霞が関 写真:筆者=

「官邸に連絡します」 権力と一体化するマスコミ

 安倍政権が「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定する前夜の6月30日、官邸前は大勢の市民で埋め尽くされた。「憲法壊すな」「安倍は辞めろ」のシュプレヒコールが永田町の夜空に響く。  抗議は殺気さえ帯びていた。デモ隊の前進圧 …
続きを読む»

「主権在マスコミ」を地で行く国会記者会館に「主権在民」の旗がひるがえった。記者クラブにはこの あてつけ が理解できただろうか? =1日夜、国会記者会館前庭 写真:筆者=

「さよなら晋三」 集団的自衛権にNO突きつけ

 安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定して初めての週末、市民たちが新宿で抗議の声を上げた。(「ファシズム許すな!安倍政権打倒デモ@新宿」 主催:怒りのドラムデモ)  自分が徴兵されるかもしれない ― 危機感を募らせ …
続きを読む»

新宿で反戦を訴え続ける大木晴子さんは七色のパラソルを振りながら沿道の人々にアピールした。=5日、靖国通り 写真:田中=

子宮頸がんワクチン 厚労省、接種再開にやる気満々 

 厚労省は何度薬害を繰り返せば気が済むのだろうか。  「子宮頸がんワクチン」を接種したため重篤な副作用に苦しむ被害者とその親たちが、きょう、厚労省前で接種の再開中止と実態調査を求めた。  厚労省がきょう午後、ワクチンの副 …
続きを読む»

「友達の名前も顔も忘れる」「脳がこのままダメになっていくんじゃないか」…少女たちは不安を訴えた。=4日、厚労省前 写真:筆者=

集団的自衛権 公明党本部前で座り込み

 「集団的自衛権の行使容認」で安倍政権に手を貸した公明党。同党本部前で戦争反対を訴える市民たちが25日夕、抗議の座り込みをしたところ警察にゴボウ抜きにされた。  平和の党を自称する公明党だが、与党のうまみを失いたくないた …
続きを読む»

警察からゴボウ抜きにされる女性。参加者から怒号があがった。=25日午後7時45分、公明党本部そば 写真:筆者=

没後百年を経て蘇る田中正造の精神 山本議員が天皇に直訴

 きょう開かれた園遊会で山本太郎議員が天皇陛下に文書を手渡して直訴したことが波紋を呼んでいる。  文書の内容は「子どもと事故収束作業の労働者を被ばくからお守り頂くようお力をお貸し下さい」との趣旨だという。  山本議員によ …
続きを読む»

「政治家なら何をしてもよいのか?」「自分の政治活動に利用しただけではないのか?」マスコミは底意のある質問を連発した。=31日夜、参院会館 写真:筆者撮影=

【諏訪都リポート】スペイン15M 元祖・怒れる若者のオキュパイ ~その2

 スペイン国内でローンが払えずに立ち退きとなる住宅は1日につき526件(2012年四半期平均 4~6月)を数える。毎日526世帯が家を失っていることになる。  不況により仕事を失い、過去の不動産バブル時に購入した住宅ロー …
続きを読む»

パティオの中でダニエルさん(左)に話を聞いた。スペイン国内では、飲食店内での喫煙は禁止されているが、パティオではタバコを吸っている人もいる。=写真:筆者撮影=

山下俊一センセイ講演会 「データを出し続けている」

   福島県立医大副学長の山下俊一氏が今日、都内の医療セミナーで講演した。  会場の前方には数十人の市民が陣取っていた。「日本のメンゲレ」などと称される山下氏の講演とあってか、開場前のアナウンスが異例だった。「不規則発言 …
続きを読む»

質問を受け付けず退場しようとした山下センセイ(奥・右端)を追いかけ、スタッフともみ合いになる男性(奥・左端)。=撮影:筆者撮影=